美和のアート研究室

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【感想】「怖い絵展」感動♪ 空いてる時間と、もっと怖がるコツ教えます

こんにちは、美和です。

 

先日、兵庫県立美術館に「怖い絵展」を観に行ってきました(*´ω`)

 

ドイツ文学者の中野京子さんが書かれた『怖い絵』シリーズの展覧会です♪

 

怖い絵 (角川文庫)

怖い絵 (角川文庫)

 

私も『怖い絵』シリーズ大好きです。

「恐怖」という視点から絵画を読み解く。中野京子さんの文章を読みながら、絵を見ると、絵に物語を感じることができます。何の変哲もない平和な絵でも、忍び寄る暗い影を感じることができます。

 

絵というものは、ただ見る・何か感じる、それでいいとほとんどの人が思っています。

キレイ! なんか素敵♡ 不気味(;'∀') 変なの( ;´Д`)

その一瞬の感情の理由をもっと考えてみませんか?

 

そして、絵の背景にある歴史を知るともっとおもしろくなります。

なんか素敵が→めっちゃ不気味になるかも。

 

 

 

 さてさて。

平日金曜日のPM5:00ころから2時間くらいかけて”怖い絵”ワールドをじっくり堪能しました(*'ω'*)ごちそうさま

 

開館時間延長の日を狙っていざ突撃!!

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それでも、平日の夕方にしては、結構人が来てました。でも、ストレス少なく作品に集中できる環境だったと思います。

 

展覧会の構成

展覧会では、第1章から第6章まで画題ごとに分かれています。

第一章 神話と聖書

第二章 悪魔、地獄、怪物

第三章 異界と幻視

第四章 現実

第五章 崇高の風景

第六章 歴史

 

 

必見の名作

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この展覧会の大目玉、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。これは絶対に見るべきです。圧巻です。

 

なんといっても、縦は2メートル越え、横は3メートル越えの大迫力。そこに、本当にこれは絵なのか!?写真じゃないのか?と我が目を疑う緻密な描写!!

 

絵の中心には、透き通るような肌の女王ジェーン・グレイ。

目隠しをされ、表情を読み取れないのが、よけいにこちらの想像を掻き立てます。鼻や口元からも一切の感情が読み取れません。

歴史の波に翻弄され、わずか9日間の女王、16歳で処刑されねばならなかったジェーン・グレイ。自分ではどうすることもできない運命に支配された彼女。

しかし、この絵のなかでは、返って絵の情緒を支配しています。この絵のなかでは、彼女は間違いなく女王なのです。

 

ただし、この処刑の情景は、事実とは異なるそうです。私たちは、こういう絵をみるとすべてありのままに受けっとってしまいがちです。

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、19世紀の画家が16世紀の歴史を描いたもの。その絵には、19世紀に生きた人間の歴史の見方までも描きこまれている、ということです。19世紀の人間が、16世紀の歴史をどう見たか(見たかったか)。そして、その絵を、今度は21世紀に生きるわたしたちは、どう見るのか。その絵に、なにを見るのか。

 

絵画を歴史として読み解く、あるいはこれまでと違う光を当てて観る、そこから新たな魅力が発見できるのではないか

     中野京子「開催によせて」『怖い絵展』図録2017年より

      

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 紹介した作品以外にも、こんな絵があるんだ!とか、こんな画家がいるんだ!という新たな出会いがありました。

 

閉幕まであと少し!迷ってる方は行った方がいいですよ!

ぜひ兵庫県立美術館まで。