美和のアート研究室

「好き」で満たされた毎日を。

修士論文との格闘の記録ー私の2年間ー

こんにちは、1か月ほど前に修士論文を無事提出し終えた美和です。

 

やっと落ち着いたので論文についての記事を書こうと思います。修士論文(または卒業論文)を真剣に書こうとしている人に少しでも参考になればと。ちなみに文系向けです。

 

修士論文とは

卒論は書く人は多いかもしれませんが、修士論文はあまり経験する人は少ないかもしれません。修士論文の文字数は、分野によりますがわたしの場合は四万字でした。卒論は二万字書きました。

あまり専門分野を明かしたくないのですが(笑)、研究分野を言わないとなんかモヤっとした記事におそらくなってしまうと思うので、言いたくないけど言いますっ!笑

わたしの専門分野は「美術史」です。かなり簡単に言うと美術+歴史です( ̄▽ ̄)オイ

美術史では、主に美術作品をひとつ選んでそれについて論文を書きます。卒論では仏像で二万字書きました。修論では絵画を一作品選びました。四万字って、たぶん普通の生活では書かない量ですよね。書く前はまったく想像ができなかったです。でも、ひとつの作品のために四万字も尽くして語れるって、なんか嬉しくないですか?笑

日程

大学院に進学し、だいたいどのように研究を進めていったのかについて。修士課程は2年間で研究し論文を書きます。わたしは2016年4月に現在在学中の大学院に進学し、研究をスタートさせました。そこから論文で扱う作品を決めたのが2016年の11月くらいでした。そして実際に書き始めたのは2017年11月くらい、論文提出が2018年1月上旬といスケジュールになりました。だいたい作品決定から実際に論文を書き始めるのが1年くらいですね

テーマ決め

これは、論文を書き終わってからも研究を続けようという人にはかなり重要です。論文で何を扱うのか。はじめからこれって決まってる人は別ですが、かなり迷うと思います。でも迷いまくって大丈夫です。わたしもかなり迷いました。良い論文を書きたい!と思ってたしね。2016年4月から11月くらいまで悩んだのですが、その間にしておいて良かったことを書きます。

  • 専門分野の基礎を勉強する。
  • 興味のある論文(先行研究)はなんでも読む。
  • 美術館・博物館でたくさん実物を見る。(これは美術関係の人に限る)

とまぁ、当たり前のことしかしてませんが(笑)、悩める時期はその時期しかできないことをがっつりしておくのがいいです。早くにテーマを絞らずに、これおもしろそう!っていうものには何でも手を出してください。こういう一見修士論文に直接つながらないと思えることが、のちのちすっごく重要になってきます。わたしも論文を書いてるときに、この時期に勉強したことが役立ったことがいくつもありました。っていうか、たぶんこの時期にたくさん勉強した経験がなければ書けなかったと思います。

で!もうひとつ鬼重要なことがあります。それは…

教授に相談すること!

です。めちゃくちゃ大事です。

わたしは、基本、研究テーマは自分の好きなものを選べばいいと思います。好き!これがやりたい!っていう気持ちがないと研究なんてできません。でも!研究をつづけたい人は、自分がする研究がどんな意義を持つかを考えないといけません。ただ好きなことをやっていても、誰も興味もってくれないとか、古くさいとか、だから何?みたいな研究ではだめだと思います。それ研究しても意味なくない?と思っちゃうようなテーマを選ぶ人もたまにいます。それを防止するには、その世界で何十年と研究をしている教授にアドバイスを求めるのが一番です。そうすると何かしら言ってくれます(笑)。相談する時には、自分が修論以降も研究を続けたいと思っていること、今こんなテーマに興味がありますっていうのをちゃんと伝えた方が先生も安心すると思います。この分野だったらこの本がいいよ、とかきっとアドバイスをくれるはず!( *´艸`)

実際にわたしもよく相談に行きました。とりあえず興味のあることをくちばしってみた後は、先生の反応をよく見ましょう。なんか「う~ん」て感じだったなあ、とか、反応良かった、とかそういうのも参考にして考えました。

でも、最終決定は自分自身です。自分の気持ちを信じて選んでみてください。

実際に書き始める

書くのって想像以上に難しいです。頭ではわかっていても、いざ言語化しようとするとかなり辛い作業が押し寄せてきます。

どのくらいの期間で書けるか

まず気になるのは、どのくらいで書き終われるかってことですよね。でも、普通2万字とか4万字なんかしょっちゅう書くよ、っていう人はいません。ほとんどの人が未知の世界に足を踏み入れる状態だと思います。それなのに締め切りにまで書き終われないと人生が終わりそうなので、ここは先生に聞いてみましょー!!

先生(・ω・):12月から書き始めても間に合います。(1月上旬締め切り)

わたし:…(心の中で)間に合わへんわーー!!

えぇ、えぇ、先生は間に合うかもしれませんが、わたしは確実に間に合いません。先生はきっと自分が書いてきた経験をもとに仰ってくださっています。でもここで大事なのは個人によって書くスピードが違うということです。普段から聞いていても、わたしの先生はかなり書くのが早い感じでした。ということで、わたしはこのアドバイスはスルーしました(笑)。先生、すみません…

よっぽど書くことに自信がある人以外は、かなり長めに書く期間を設定しておいた方がいいでしょう。わたしは3か月ちょいくらい見積もってギリギリでした。ホントに書くの遅かったんですよねー(´;ω;`)

 

書く時のあるある

論文を書くとなったら一日中PCの前に座ってます。だから1日したら、めっちゃ進むと思うでしょ??……それがね、進まないんですよね……進まないというか書いても書いても字数が増えないΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン

書いても書いても字数が増えないという超常現象が目の前で巻き起こるんです。ほんとに。……っえ?わたしだけ?じゃないよね??

 

他にも、わたしの場合は、1文1文にこだわりすぎて、こう書いたらこんな風に思われる、この言い方の方がかっこいい、とか、この部分は先生にこういう風に言われそう、とか、とりあえず脳内の声がやかましい(笑)。脳内の声がやかましすぎるので、音楽聞きながら書いていました。そうすると脳内で相談するキャパシティが小さくなるので、書くスピードを保てました。執筆期間の前半は倉木麻衣さんに、後半は東方神起にお世話になりました(笑)。

書き終わって

締め切り日の午後5時が最終の締め切りでした。わたしはその数時間前に修論を事務に提出し、所属しているコースの事務をしているパートのおばちゃんとゼミの先生に「提出できました」と報告に行くと「おめでとう!!」と満面の笑顔で言われまして、単純なわたしは、すごく良いことをしたみたいな気分になってルンルンになって帰りました(笑)

学部で卒論を出したときは、違う大学だったのでおめでとうもおつかれさまもなかったんで、なんか嬉しくなっちゃったんですよね。

そんなことはどうでもいいのですが、でもなんかすっごくスッキリしたのは事実です。もう論文に全部出し切ったので、わたし自身がすっからかん(空っぽっていう感じの意味です)になりました。自分のなかにあるもの全部出したみたいな。もう何も出てこうへん!っていう気分になりました。きっとやりきったんでしょうね。自分なりに。

これから論文を書く人へ

自分の悔いのないようにするのが1番だと自分自身書き終わって感じました。じゃあ、どうすればいいかっていうと、テーマを悩む時期、決める時期、研究する時期、書く時期、それぞれの時期をやり抜いていくことだと思います。どんだけ頑張っても、もうちょっとやっといたらよかった、とか絶対書き始めたら思います。それでもあのとき一生懸命やったっていう思いが前に進ませてくれます。最後の最後は「卒業」の二文字だけを頭に浮かべて走り抜けてください。そして、どの時期も自分の気持ちを大切にしてください。このテーマやりたい、この作品が好き、この部分もっと深めたい、知りたい…そこで立ち止まって、いやこんなのしても意味ない、とか、無理とか必要以上に怖がったり否定したりしないでください。自分の気持ちを信じて、無駄になってもいいやという思いで飛び込んでみてください。そうすれば必ず何かにたどりつけます。自分が最初予測していたものは得られないかもしれないけど、必ず見えてくるのがあります。あ、それから先生とコミュニケーションをよくとってください。こっちからアプローチしないと先生は何かしたくても何もできません。一見冷たそうに見えても(笑)、結構心配しておられる場合が多いです。

以上、美和からのエールでした。

随時アドバイス的なことは、思い出せたら追記していきます。

 

おしまい