美和のアート研究室

「好き」で満たされた毎日を。

もはや勝手に涙腺が崩壊する。【感想】新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで@阪急うめだ本店

f:id:s_emi:20180315215038p:plain

shinkaimakoto-ten.com

 

 こんにちは、美和です。

 

突然ですが、わたしはアニメーションに詳しくありません。っていうか、どの分野にもほとんど詳しくありません。

 

そんなわたしの日常に彗星のごとくあらわれたのが、新海誠

 

 

 

君の名は。」旋風がやっとわたしを巻き込んだ。

 

2016年に「君の名は。」が大ヒットしましたね。でもわたしは「君の名は。」旋風が全国で巻き起こっているあいだ、どんなに周りがその旋風に巻き込まれようといっさい映画館に足を向けませんでした。

 

 

とくに深ーい理由があったわけではありません。ただあまのじゃくだっただけです(笑)

 

君の名は。」が2016年の8月に公開されて、わたしが映画館で観たのが2017年の3月。どんだけ意地はってんだ(笑)いつまでも「君の名は。」旋風が収まらないし、流行っているものを見ておくのも悪くない(ナニサマだ)と思って映画館に足を運びました。

 

 

結果、はやく観たらよかった、と思いました(案の定)。なぜみんなが何度も繰り返して観に行くのか、の理由が始まって数秒で理解できました。

 

 

だから、わたしは「君の名は。」で新海誠を知りました。10年来のファンです(ど~ん)とか言いながら記事を書きたかったんですけど、実際は正真正銘にわかファンの美和です。

 

でも、ま、そういう人も多いんじゃないでしょうか。映画観てから新海誠に興味を持ったわたしは、過去の作品や本も読み漁りました。

 

そうこうしているうちに、わたしは新海誠の紡ぎだす「言葉」の魅力にとりつかれました。「君の名は。」「言の葉の庭」「秒速5センチメートル」の小説を読んで、なんじゃこれは、と思いました。文章を書く能力までもが半端じゃない。う、うらやましい……うらやましい……うらやましぃぃっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

新海誠

話がどこかへいってしまいそうだったので、「新海誠展」に戻しましょう。まだ一度も展覧会について書いてませんけど(;'∀')

 

君の名は。」が大ヒットした新海誠監督ですが、そのずっと前、デビュー作「ほしのこえ」からアニメーションの世界の可能性を切り開き、記録を打ち立ててきた人物だったのです。

 

そんな新海誠の軌跡をたどれるのが今回の展覧会というわけです。

構成は、

  1. ほしのこえ
  2. 雲のむこう、約束の場所
  3. 秒速5センチメートル
  4. 星を追う子ども
  5. 言の葉の庭
  6. 君の名は。

このように、制作順に目が回るくらい膨大な絵コンテや作画、映像も流されながら作品の制作過程を楽しむことができます。新海語録とともに堪能できます(●´ω`●)

 

ポイントをいくつか絞って思ったことを書いていきます。

制作過程がわかる!奥深い…

この展覧会は、昔からのファンの方も「君の名は。」だけしか知らないっていう人でも楽しめるんではないかと思います。

 

冒頭でも言ったように、わたしはアニメーションには詳しくありません。そんな人にもアニメーションの制作過程がわかりやすくなるように示されています。

 

でも、なにせわたしはホントに知らないので(笑)、絵を重ねていく…とかレイヤーがどうのとか全然わかりませんでした(苦笑)わたしに理解できたのは、とりあえずすごく手間がかかってそうだということや、想像以上にアニメーションってたくさんの人の力が組み合わさってできてるんだなぁってことです。

 

 

実際に絵を描いてる人ならすごく勉強になるんじゃないでしょうか。そうでないただ映像美を楽しみたいって人も大丈夫ですよ。

 

 

随所に新海さんの言葉が掲げてあるのがすっごく美和的に嬉しいポイントでした。そのなかでもひとつかっちょいいのをご紹介しましょう!!(∩´∀`)∩

部屋に8か月くらい篭ってひたすらつくったのが「ほしのこえ」でした。バイトもせずに会社員時代の貯金を食いつぶしていたので、フリーターですらない。本当に、何者でもなかった。その何者でもない自分が、ほかの人がやっていないものをつくっているという感覚はどこかにあって、「ここにいるんだ」と叫びたい気持ちがあったと思うんです。

 

ほしのこえ」をひとりで制作されていたときを回想されたものですね。かっちょええ…こんなん言うてみたい(´ー`)会場の新海語録は図録のインタビューからの抜粋されたもので、インタビューではさらに新海語録が爆発してます。(ヨダレがたれちゃいますよ☆)

 

最後のムービー

f:id:s_emi:20180317162732j:plain

出典:http://eiga.com/movie/83796/gallery/4/

わたしはね、「君の名は。」を観たとき、映像も美しいしストーリーも素敵だし良いもの観た!って思いましたけど、最後の最後、ほんとに最後にすこしもやもやするもの、心になんとなくひっかかるものがあったんですね。

 

 

それを何やろう?と思って言語化してみると、今まで時間も空間もすれ違ってきた瀧と三葉が現実に出会うっていう最後のシーンですよね。だって、現実に出会っちゃうと、これから起こりうるあらゆる現実的なことを想像するじゃないですか。あ、瀧くんの食べ方あんま好みじゃないな、とか。笑

 

 

たとえていうと、今までずっと片想いしてきた憧れの人と、ついに付き合えた!ってなると、その人の現実的な部分とか、ちょっと違うっていう部分とも向き合うことになる…みたいなそんな感じ、、

 

 

そういうこれから起こりうるであろう現実的なことまで、わたしの頭はしなくてもいい想像をたくましく膨らませてしまうクセがありますので、なんかもやもやしたわけですよ。たぶん、瀧くんによって糸守の過去の歴史が変えられるっていう部分にもきっともやっとしたんだと思います。

 

 

でも、新海誠の過去作品や今回の展覧会をみると、その最後の場面を違ったように見ることができるんですね。

 

過去作品では、すれ違いだったり想いあっているのに出会えないとかそういう人間にはどうしようもないものに翻弄されながらもただ生きていく男女が描かれることが多いわけですが、新海誠が生み出したそんな男女の想いが「君の名は。」で結実して、やっとやっと瀧と三葉が現実に出会えた…そういう風に捉えられるのかもしれません。きっと、昔からの新海誠作品のファンの方こそそういう思いが強いかもしれませんね。

 

 

わたしが見に行った阪急うめだ本店のギャラリーには、最後に5分ぐらいのムービーがあります。(※ほかの展覧会場では少し構成が異なるかもしれません)

そのムービーでは、これまでの新海誠作品の男女がクロスしていくように描かれています。ほんとに短い映像なのですが、美しい絵と新海誠の軌跡、新海誠によって生み出された男女の軌跡(奇跡?)がぜーんぶ凝縮されていて、何に感情移入する間もないのになぜか涙腺崩壊。

もう新海誠の映像みたら条件反射的に涙出る…みたいな?そういう体質になるレベル。笑

新海誠が少しでも好きなら…

…図録は絶対買うべし!!2500円ですけど、美術チームや作画監督、そして新海誠ご本人のインタビューが収録されていて、美しい絵もたくさん入ってますよ!

なんかサイズはみたことない感じで戸惑いましたけど(笑)…横長っていうのかな、アニメーション界ではこのサイズが常識とかそんなんあるんかな…

とりあえず普通のA4ではありません↓この写真じゃわからないけど…

f:id:s_emi:20180315215140p:plain

図録とチケット

あぁ、ほかにも新海誠の作品について語りたいことはあるんですけど、語りつくせないですね…。今日はこのへんで。

 

おしまい