美和のアート研究室

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春日をとりまく信仰と美を堪能。【感想】「国宝 春日大社のすべて」@奈良国立博物館

こんにちは、美和です。

 

2018年春の注目の展覧会のひとつ、「創建1250年記念特別展 国宝 春日大社のすべて」が奈良国立博物館にて始まりました!

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2017年には、東京国立博物館でも「春日大社 千年の至宝」というタイトルで展覧会が行われました。

わたくしも東京行きましたよ、、かなり人多かったよ、、、(;´∀`) てか、春日大社の展覧会やのになんで東京やねん!奈良でやらんのかい!ヽ(`Д´)ノムキーッッ(美和は関西在住なので)とか思ってたので、奈良開催が実現して喜んでおります♡

 

春日大社のすべて」展

春日大社のすべて」というだけあって、ほんとに春日にまつわる美のあらゆるものが展示されています。

 

春日大社への信仰が、こんなにも豊かに芸術として作品を生みだしたんだなーとしみじみ感じました。ま、当時は芸術としてよりも、信仰心や祈りの気持ちを表出したものだったんだろうと思いますが。

 

この展覧会は、ひとことで言うと…「飽きない!」です。繊細な美に吸い込まれるように見入ってしまいました。春日への祈りが美に昇華されるさまを堪能できます。

 

工芸の美

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国宝《金地螺鈿毛抜形太刀》春日大社

春日大社の本殿に神宝として納められていたもの。平安時代12世紀に制作。

鞘には、竹林で雀をつかまえる猫を螺鈿の技法で表しています。これがまた細かい技術なんですよ。猫も雀もかわいいし。じっくり見ることをおすすめします。ずっと見てると、猫の毛並みまで表されていたり細かい美がいくつも発見できます(*^^)

 

これと並んで展示されているのが、同じ太刀を復元模造したもの。

なーんだ、模造品(レプリカ)か…と思ったそこのあなた!!あなどるなかれです。

平安時代の太刀は、制作された当初はこんなにきらびやかだったんだ!てびっくりします。この復元模造品も、21世紀の技術の粋を集めたものとして、これから受け継がれていくんだろうなーと思いました。

平安時代と現代のものを見比べられるのがいいですね。

 

あ、古代の美術工芸品では、この太刀みたいに猫をモチーフにするのは珍しいみたいですよ。

 

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国宝《赤糸威大鎧》春日大社

 続いては、甲冑であるぞ(・∀・)

 ↑これは、13世紀~14世紀に制作されたもの。春日大社の宝庫に伝来した甲冑です('ω')

注目は、飾金具!「竹虎雀飾」と通称されており、雀は百羽近くいるみたいですが、1つとして同じものがないらしいですよ!(´゚д゚`)驚

そしてそして、上の写真でもよくわかるのが大袖にあしらわれた虎が意外にかわいらしい(*´ω`*) 他にも藤や桐、菊や鶯など季節感を表す飾金具があらわされています。

「武」の代表であるような甲冑に、文学的な香りのする飾り金具があしらわれているのがステキ。

 

ところで、春日大社に伝来した甲冑はすべて地元・奈良で造られたとみられています。中世の奈良は、なんと甲冑の一大生産地だったのです。意外!

春日大社への室町将軍家の参拝の折に興福寺が甲冑などを進上するのが恒例になっていたことや、この時期の興福寺武装化が要因になっているみたいです。

 

絵画の美

工芸のこれでもか!という技術を見せつけられたあとには、絵画のオンパレードが待っています。

これまた素敵なんですよ(●´ω`●)

 

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重要文化財《春日宮曼荼羅》南市町自治会蔵 (図録より複写)

春日曼荼羅といって、三笠山を中心に春日大社の本殿と若宮社が描かれ、参道に沿って二の鳥居や一の鳥居が描かれています。けっこう、実際の地理に忠実に描かれているんですよ。

春日という土地全体を聖なる空間として、美しく静謐に描きあげています。よーくみると鹿さんもところどころに小さく描かれています。神鹿ですからね。

 

 

お次は、その鹿をメインモチーフにした春日鹿曼荼羅

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《春日鹿曼荼羅奈良国立博物館蔵 (図録より複写)

神鹿が背負う(?)鏡には、春日大社の本殿四社と若宮社の合計五神が仏となった姿であらわされています。神々しい(*´ω`)

 

ほかにも、たーくさんの春日にまつわるものが展示されています。解説しきれません。じっくりと見てほしいです。かなり繊細で精緻な美であふれております。

 

おまけ

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左:東博の図録 右:奈良博の図録

東京国立博物館奈良国立博物館の図録を並べてみました。

 

うん。

 

特に意味はない。

 

 

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いちごみるくとクイニーアマン。これも本文とは関係ない。おいしかったよ。

 

おしまい